Vol.01

ゼロから産み出す創造×平和

プロジェクトリーダー F.Yさん / 企画 Y.Sさん

創造×平和 ゼロから生み出す

オリジナルの企画はどのように生み出されたのか? 企画力はどのように育まれているのか? 「CR戦国乙女」シリーズから読み解く

「CR戦国乙女」とは
2008年4月にリリース。実在した戦国武将たちを女性キャラにしたてたオリジナルコンテンツで人気に。平和の代表的なデジパチシリーズとなっている。

テーマ:オリジナル性×シリーズ化

「戦国乙女」シリーズ化の3代目の本機種において、単体の機種としてのオリジナル性の確保と統一性、キャラクター等の踏襲など人気機種として一連のシリーズとしての企画やコンセプトの踏襲についてまとめました。

「CR戦国乙女」は戦国時代の武将がオリジナルの女性キャラクターとして登場する平和を代表する人気デジパチ。イチから人気台を作るのも至難の業だが、そんな大ヒット機を受け継いで「CR戦国乙女2」から「CR戦国乙女3〜乱〜」と、人気シリーズへ育て上げていくのもまた難しいものだ。当時シリーズのプロジェクトリーダーを務めていたF.Yさんと、「CR戦国乙女3〜乱〜」の企画担当だったY.Sさんに、オリジナル台のシリーズ化を成功に導いた秘訣を聞いてみた。

「『CR戦国乙女2』から携わることになったのですが、戦国乙女はファンにすごく愛されている作品だったので、どうやって初代から発展させていこうか考えに考えました。アニメ化だったり、『打-WIN』システムを導入するなど、台だけでなくオリジナルキャラ自体のファンを拡げようということを意識しました」とF.Yさん。

「打-WIN」とは、パチンコ台の当たりに合わせて携帯電話の画像や着ボイスなどがもらえるサービス。パチンコ台という枠に捕らわれず、いつもユーザーが身に着けている端末と連動することで、キャラクターのファン層を拡大、ユーザーのロイヤルティを上げていくチャレンジを積極的に打ち出した。

また、アニメ化では、パチンコと製作過程がまったく違うため、パチンコとアニメの内容を連動させるのはすごく難しかったと苦労を打ち明ける。「パチンコとアニメでは映像の製作時期が全く異なっていたので映像を連動させることは思った以上に難しかったです。ただ、初めてアニメ制作の現場に立ち会えたことはとても新鮮で、良い経験となりました。」(F.Yさん)。

「CR戦国乙女2」の成功から新キャラ「カシン」で話題となった「CR戦国乙女3〜乱〜」へ

「CR戦国乙女3〜乱〜」では、初代だけでなく、さらに「CR戦国乙女2」の成功も引き継がなければならない。戦国乙女はシリーズものなので、マンネリ化しないように気を付けたと話すのはY.Sさん。「ただ、戦国乙女2そのままというわけにはいかないので、良かったところを残しつつ、新たなエッセンスとして、『カシン』という新しい敵キャラを立てて対決するという大きな柱を設定しました」

ところが、新しく敵キャラを作ることに対して社内では一部から反対意見も。「敵キャラはすでにファンに定着しているオウガイがいいのではないか、新しいキャラでは営業や宣伝がしづらい、という意見が結構あがりました。初めはぶつかりましたが、企画の方針を説明して最終的には納得してもらいました。言いたいことは言い合って意図がきちんと伝われば、社内全体がまとまるところは平和のいいところですね」(Y.Sさん)

新キャラクターを作る際には、まず戦国乙女の世界観でも浮かないように気をつけて、デザインから作り上げていく。そしてそのキャラクターデザインに合ったボイスを探すため、後から声優をオーディションしている。

「声優さんが関わったアニメ作品などをなるべく見て、ユーザーがクスリと笑ってくれるようなセリフなども考えたりしています。新入社員時は、声優のチョイスまでパチンコメーカーがやっているという意識はなかったのですが、初めてやってみてここまでやるのかと思いましたね」(Y.Sさん)

F.Yさんも、いい台を作るためには、普段から他の文化を知っているほうがいいと話す。「ゲームやアニメ、映画など、映像表現をいろいろ見て研究しています。声優、デザインだけでなく、テーマの中で新しい要素をどれだけ出していけるかがとても重要。新キャラのカシンは妖術使いなので、モノじゃなくて技で攻撃するというところは新たな要素だったなと思います」

物を作り上げていくうえでどんなことに気を使っていますか?

「毎回、毎回、答えというものはないので、とても苦労します。企画会議などで、数秒間ではなく、数分間の沈黙が続く時にはどうしようかなと思いますね。そこは産みの苦しみというのがあります」とY.Sさん。プライベートでボーっとしている時でも頭の片隅ではいつもパチンコのことを考えていたりするそうだ。

F.Yさんも、「他の台とかぶらないように意識しています。映像やアクションの見せ方、台の仕組みなど、他と同じような結果にならないように普段考えていることから離れて別のアプローチから考えるように努力しています」と新しい物を作る上ではいつもの日常の行動や考え方が重要と説く。

パチンコの開発者ならではの苦労もあるという。「同じ演出を何度も見ているので、麻痺してくるというか、市場の感覚とズレてくる。ユーザーの感覚を忘れないようにいつも意識する」(Y.Sさん)。パチンコ好きが高じて平和に入社したというF.Yさんだが、「常に他社の台を打っています。でもどうしても開発者目線になってしまう。プライベートでパチンコを打っている感覚はなくなりましたね(笑)」

開発に携わることで初めて見えてきたことも。「演出の間(ま)が何秒単位で決まっていたり、さらにそういったものが複雑に組み合わさっていること自体、入社するまで知らなかったですね。あとは、パチンコの規則に驚きました。メーカーは法律の内容をしっかり意識してモノ造りしているということに入ってから気付かされました」(F.Yさん)

台の表示能力がすごくあがっているため、演出のボリュームが増え、その分考えることや台のデバッグも大変になってきている。「しかし、作るのは大変だけど、出来上がった時に、それを超える達成感があります。喜びを糧に次につなげていますね」(Y.Sさん)

「『CR戦国乙女3〜乱〜』ではエンディングの映像と、主題歌の「乱」が奇跡的にピタッとあって気持ちよかった。こういう時に開発をやってて良かったと思いますね」(F.Yさん)

学生の方に一言

F.Y
アニメだったり、ゲームだったり、コンテンツを使ったものが増えてきている。そういうのが好きな人は、実際に自分たちが考えたものが台になるのはすごく楽しい。達成感は昔よりも大きいと思います。
Y.S
常に物事を前向きに考えられるようにしましょう。苦労することが多いとは思いますが、前進あるのみ。何があっても前に進んでいこうと思って、パチンコ開発に取り組んでほしいと思います。